米国のパリ協定離脱の真の目的と日本の取るべき方向

米国のパリ協定からの離脱

米国のトランプ大統領は6月1日に、気候変動への国際的な枠組みを決めたパリ協定から離脱することを宣言しました。

これに対し、米国の内外から批判の声が上がっています。

日本でも各メディアが批判の声を伝えてますが、環境への悪影響を懸念して米国の離脱を非難する声ばかりです。

しかし、トランプ大統領が昨年の大統領選挙中にパリ協定からの離脱を公約に掲げており、当選した以上、TPP不参加と同じようにその公約を守ろうとしても不思議ではありません。

ではなぜ、内外の批判を浴びながら公約通り、パリ協定からの離脱を進めるのか。
それはアメリカの石油・石炭産業を守るためです。

トランプ氏は、「米国と市民を守るという重大な義務を果たすため」にパリ協定を離脱すると発表。協定は米国の産業と雇用を痛めつけるものだと批判した。昨年の大統領選で自分は国の石油・石炭産業を助けると公約しており、協定離脱はその公約を果たすための措置だと述べた。出典: 米トランプ政権、気候変動取り組みのパリ協定を離脱 – BBCニュース

そうです。
石油・石炭業界を守る。すなわち米国はエネルギーをどんだん輸出したいのです。

そしてその動きは、他国の首脳の説得によって覆ることはなかなかないと思われます。

日本の取るべき方向

もちろん、日本の説得に米国が応じると考えることは現実的と思えません。

あくまでもパリ協定維持を主目的に交渉にこだわるよりは、交渉の主役はヨーロッパの首脳に任せて、もう少し先を読んで対応していく必要があると思うのです。

すなわち、この米国のエネルギー輸出政策に日本が乗って行くことです。

米国はエネルギーを売りたい。
そのエネルギーを日本が買う。
その方向は悪いことではないのではないかと思います。

一番大きな理由は、中東に大きく依存する日本のエネルギー事情を変えることです。

日本の石油の大部分は中東から輸入され、そのタンカーは南シナ海を通ってきます。
そこを閉鎖されたら日本の打撃は甚大です。
しかも尖閣などで揉めた時にその可能性は十分あると考えないといけません。

エネルギーをそこで中東だけに頼るのではなく、この機会に米国からのルート、そして将来的にロシアからのルートを確保しておくことが、日本のエネルギーの安全保障政策にとって必要なのではないでしょうか。

スポンサーリンク